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NMNにより、マウスのうつ病が改善した実験結果が報告!

”若返り薬”としての可能性の高さで注目を集めるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)。

マウス実験では、中年太りや骨密度の低下、糖尿病、アルツハイマー、内臓機能の低下など”老化”に伴う多くの機能低下が抑えられることが発見されました。

このことから人間に対しても同様の効果があるのではと期待されています。

参考記事:NMNサプリの若返り効果って?科学的な見地から分り易く解説

目次

マウス実験の結果、NMNによってうつ病による症状の改善が確認された

そんなNMNですが、2020年2月にはうつ病を発症させたマウスの症状を改善する効果が確認できたという論文が化学雑誌「Journal of Affective Disorders」発表されました。

引用:Nicotinamide mononucleotide ameliorates the depression-like behaviors and is associated with attenuating the disruption of mitochondrial bioenergetics in depressed mice

世界中で進行する申告なうつ病

こちらは厚生労働省が発表した、日本国内における精神疾患を有する患者数の推移です。

引用:厚生労働省「患者調査」 ※うつ病関連はオレンジ色の気分[感情]障害

うつ病に相当するのはオレンジ色の気分[感情]障害ですが、H29(2017年)時点で患者数は127.6万人となっています。

H14(2003年)から見て1.8倍近い数であり、増加の一途をたどっています。

 

こちらは警視庁が発表した、自殺の原因・動機の統計に関するデータです。

引用:警視庁「自殺の概要」 自殺の原因・動機の統計

自殺者のうち原因・動機が特定された中で、うつ病が占める割合は30%近くとなっています。

うつ病は自殺に繋がる重大な疾患であり、その患者数は右肩上がりで増加してしまっているのが現状です。

 

また国立精神衛生研究所(NIMH)によると、米国では人口の6.7%である約1,620万人の成人が、 2016年に少なくとも1つの大うつ病を発症したと報告しています。

うつ病は世界中で進行する深刻な疾患として、対策を急がれています。

 

 

うつ病を誘発したマウスにNMNを与えると、症状が改善した

Journal of Affective Disordersに発表された論文は、以下のような実験です。

①ストレスホルモンであるコルチコステロンをマウスに注射し、うつ病を誘発させた。4週間経過観察した。

②注射から4週間後、一部のうつ病を誘発させたマウスにNMNを注射で与えた。2週間経過観察した。

③正常なマウス、うつ病を誘発したマウス、NMNを与えたうつ病のマウスについて、①~②の6週間の間で体重の推移を調べた。

結果、以下の実験データが報告されました。

各マウスの6週間における体重の推移 引用:(J Affect Disord . 2020 Feb 15)
黒線:正常なマウス 青線:うつ病を誘発したマウス 赤線:うつ病誘発後、4週間目でNMNを与えたマウス

上図の黒線(正常なマウス)と青線(うつ病を誘発したマウス)を比べると、青線の方が体重減少が見られます。
これはうつ病が原因の体重減少と思われます。

しかし、4週間目以降、赤線(うつ病誘発後、4週間目でNMNを与えたマウス)の体重推移をみると、正常なマウスとほぼ同じ水準まで体重が増加しました。

 

また、以下の実験も行われました。

①正常なマウス、うつ病を誘発したマウス、うつ病誘発後4週間目でNMNを与えたマウスを、脱出不可能な水槽に浮かべ強制的に水泳させた。

②それぞれのマウスが、泳がずに動きを止めている時間を測定した。

結果、以下の実験データが報告されました。

各マウスの強制水泳実験 引用:(J Affect Disord . 2020 Feb 15)
縦軸は、泳がずにじっとしていた時間
黒線:正常なマウス 青線:うつ病を誘発したマウス 赤線:うつ病誘発後、4週間目でNMNを与えたマウス

上図の黒線(正常なマウス)と青線(うつ病を誘発したマウス)を比べると、青線の方が泳がずにじっとしている時間が長いです。
この結果は、正常なマウスは生き延びるためにより必死で泳ぎますが、うつ病のマウスはより早くあきらめることを示しています。

一方で、赤線(うつ病誘発後、4週間目でNMNを与えたマウス)は、正常なマウスよりもじっとしている時間が短くなりました。
生き延びるためにより長く泳ぎ、うつ病のマウスに見られた症状が逆転していることが分かりました。

 

 

NMNによってミトコンドリアが活性化し、うつ病の症状の改善した

 

過去の研究では、うつ病を発症した患者において、アデノシン三リン酸(ATP)の産生が減少していることがわかっています。
ATPは筋肉の収縮など生命活動で利用されるエネルギーの貯蔵・利用に関わり、「生体のエネルギー通貨」と呼ばれています。

ATPの生成には、細胞の原動力であるミトコンドリアが機能しています。
そのため、ATPが減少したのはミトコンドリアの機能不全が原因の可能性があります。

、うつ病との相関につながります。ミトコンドリア機能の促進は、うつ病のような行動を改善するための介入かもしれません。エネルギー製造ラインを稼働させ続けるための重要な分子として、NMNまたはNRでNAD +をブーストすると、ミトコンドリア機能を促進できます。

 

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD +)を生成するとされています。

NAD+がミトコンドリアを活性化することは過去の研究で示唆されています。

今回の実験を報告した研究チームは、NMNによってNAD+が生成され、NAD+によってミトコンドリアが活性化した結果、ATP生成が正常化されうつ病の症状が改善されたと結論付けました。

 

この効果が人間においても発揮されれば、世界中で深刻化するうつ病問題の有効な解決策になる可能性があります。

現時点で高齢の女性の生殖能力を改善する有効な手段はありませんが、NMNによってこの問題が解決するかもしれません。

しかし、マウスはサイズが小さいためNMNなど与えた成分の影響が出やすく、サイズの大きい人間での同様の結果がでるかはまだ分かりません。

今後はよりマウスのみではなく、サイズの大きいサンプルでの長期的な実験が計画されています。

 

まとめ

うつ病を誘発したマウスにNMNを与えると、

うつ病に伴う体重減少の緩和と、強制水泳実験でより長時間泳ぎ続けることが分かった。

人間においても、NMNが世界中で深刻化するうつ病問題の有効な解決策となる可能性がある。

 

 

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